CROSS TALK 社長×社員インタビュー

CROSS TALK

技術と信頼で、地中を切り拓く。

創業から続く“支える力”を語る対談

創業以来、ボーリング機械の開発・製造と、それを用いた土木工事の両軸で事業を展開してきた当社。
長年の実績に裏打ちされた技術力と、納品後も寄り添うサポート体制は、多くの現場で厚い信頼をいただいています。
代表取締役杉崎と本社営業部の久原が、当社の歩みとこれからの展望について語りました。

PROFILE

代表取締役社長

杉崎すぎざき 匡孝まさたか

令和6年に株式会社東亜利根ボーリングの社長に就任いたしました。以前は、東亜利根ボーリングの親会社である東亜道路工業株式会社に所属していました。工事部長から支社長となった東北支社に9年、関東支社に6年、そして本社の建設事業副本部長として1年所属し、東亜利根ボーリングにやって来ました。
 それぞれの地域でさまざまな経験をしましたが、東北支社にいた頃に経験した東日本大震災が強く印象に残っています。

PROFILE

製販営業本部 本社営業部 部長

久原くはら 正敬まさのり

平成5年に入社し、33年目となりました(※2026年時点)。入社当時から現在と同じ製販営業本部の本社営業部で、営業部長をしています。

Introduction 当社の歴史

創業の背景と企業の歩みについて。

杉崎

大正6年、初代社長の塩田は、建造船のリベット孔をあけるニューマチックドリル・ツールスの製造業を主に営んでいましたが、時代の流れを捉え、穴を開けるという技術を生かし、ボーリングビットの開発を始めました。
これが東亜利根ボーリングの歴史のスタートです。
当時の電報注文において「利根」という短い名前は注文しやすかったという点も、「利根」の広がった理由の一つかもしれません。さらに、日本で初めて国産ボーリングマシン開発を始めたことからも、初代社長は先見の明とバイタリティーにあふれる人間だったと想像できます。
ボーリング業界において、常にお客様のご要望にお応えしながら製品開発に力を入れてきた姿勢は、需要増加や会社の成長につながったと思います。

今でもボーリングの先駆者として、「ボーリングといえば利根」と言っていただけることも多く、業界でのネームバリューは高いと自負する反面、求められるレベルの高さや競合他社様の存在を考えると、気を引き締めていかなければならないと実感しています。
 当社の製品は昔から堅牢な品質が重宝されてきました。「利根」という名前の信頼を失わないためにも、今後も製品開発していくことが課題です。その流れの中で、今年度から開発部を設置し、生成AIの活用などを視野に入れた研究も始めています。

久原

ボーリングマシンを製造する企業は日本に数社ありますが、取り扱い製品については、ある程度カテゴリーのすみ分けが生まれている状況です。
 例えば、A社は宅盤機、B社は連続壁機、C社は削岩機、D社は小型ボーリングマシンといったすみ分けです。しかし中には同じカテゴリー製品を取り扱う企業も存在しますので、価格競争になる可能性もあります。その場合、付加価値を提示しないと価格で負けてしまうことも考えられます。ただ、何十年経っても壊れにくい堅牢なマシンというところが当社の優位点ですので、そこは強いアピールポイントとして押し出していく考えです。

Strengths 選ばれる理由

他社との違いや東亜利根ボーリングの強み、
つまり「選ばれる理由」はどこに?

久原

製品ラインナップを含め、現場条件に合わせたものが製造できる点が当社の強みといえると思います。オーダーメイドで一から製造し、さらに要望に合わせて改良を行うことが可能です。最近はリニューアルの工事が多いこともあり、さまざまな制限の中で機械を製造する必要が増えています。
 私の所属する建設機械部門は、機械の高さ制限や重量制限、運搬・メンテナンスを考えた分解しやすさ、消耗パーツの取り付け位置などを加味した設計・組立、お客様が想定されるご予算との調整などをすべて考慮し、お客様の理想とするオーダーメイドマシンを提案するコーディネーターです。存在しないマシンを、お客様と打ち合わせをして一からつくり上げることで、付加価値をつけた販売につながります。そこが他社様と大きく違う点であると感じています。

杉崎

他社様にないという点では、回転水平多軸式連続壁機は国内では当社しか製造していません。これは低空頭型という、大変狭い日本の駅の地下でも工事が可能な機械ですが、時代の要望から生まれた機械といえるでしょう。
 当社の製品はほとんどが受注生産です。営業社員がお客様と打ち合わせをして条件などをお聞きした後、使い勝手やメンテナンス性を十分に考え、製品ラインナップからの提案や新規設計・製造し続けてきました。その部分は選ばれる理由の一つと感じています。

久原

優れた機能を持つ製品においては、価格が高くはなりますが、その機能の重要性をアピールする場合もあります。
 私自身も多くの図面を描いてきましたが、面白い仕組みで動くマシンの図面をいつも頭の片隅に入れておきます。そしてお客様との商談の時に、「全然違う方法ですが、特許を取得した面白い方法もありますよ」などと提案することもあり、そういった面でも営業のやりがいや楽しさを感じます。
 そうして積み重ねてきた歴史や実績こそが当社の魅力だと思っています。

杉崎

今の話は、企業理念にも通じるところがあります。昔からの技術の蓄積と革新の融合をする、これはまさに当社の強みといえるでしょう。

Total
Productivity
製品開発・工事について

「製品の製造開発」と「工事」の
両方を行うメリット、
そこに対する想いとは。

杉崎

開発した機械を直接試せることがメリットの一つです。さらに、工事本部によるフィードバックで改良できる点がもう一つですね。
黎明期はメーカーでしたが、性能確認も含めて実際に掘ることができるかを試していました。のちに、お客様から施工依頼が増え、工事本部の発達やレベルアップにつながった経緯があります。

当社ではゼネコン様の工事が多く、都市土木関係、それから中央新幹線関係の大きな工事の一部門としてプロジェクトに携わっています。安全を第一に考え、工事工程や求められる品質に合わせ、機械を製造するだけではなく、追加の要望に応じた改造も可能です。その対応力が大きな強みだと思います。
 工事本部の社員もその誇りを持って仕事をしています。自社の機械、唯一無二の機械を使って工事を行っているという気持ちですね。どのような立場でも、ポリシーを持ちながら強い気持ちでやっていると感じます。

久原

工事本部も、個性豊かで頼れるメンバーが印象的です。どのような要求に対しても、各個人が速やかに判断し行動できる、現場のプロ集団ともいえます。これも当社の強みであり、頼もしさを感じます。
 昨今では製造販売においても現場サポートを求められることが増え、自社での工事以外でもサポート体制の構築が課題となっています。

杉崎

当社の社員数は150名弱。営業・製造・工事・設計の各部署があり、工場にはサービス課もありますが、お客様の施工現場によっては営業部員も工場製造部員も、場合によっては設計部員もサポートできるようにしています。近いところで助け合うことで仕事を円滑に進めているのです。
それこそ久原部長も現場に行って対応することがありますよね。

久原

そうですね。
「こういう機械をこういうスペックで製造したい」と相談されたとします。その時は営業社員が開発段階から詳しく伺っていきます。そのような打ち合わせを何度も行いますので、1年や2年の期間が経過することも少なくありません。そんな長期間の経験を通して、営業社員が技術スタッフ同様に機械に詳しくなる場合もあります。 
例えば、機械を製造する段階までにさまざまな経緯があってこれを選択したとか、これだと分解しにくいけれどコンパクトに仕上げられるなど、全体を把握しやすくなるのです。それによって、営業社員が事前に調整を図れるということもあります。
「工事」=「現場」に携わることで培われる知識と技術があると実感しています。

Worthwhile
WORK
仕事のやりがい

営業担当として、やりがいを感じる瞬間は。

久原

「久原さんに依頼してよかった」と言っていただくとうれしく思います。また「久原さんが来ただけで機械が直った気になりますよ」などとお声掛けいただくと、そんなふうに見ていただいてありがたいとも感じます。しっかりと信頼関係が結ばれている状況は、やりがいにもつながります。
 私が入社した当時の上司に、「利根の久原になるな。久原のいる利根になれ」と言われたことがあります。それが私にとって忘れられないアドバイスとなり、その言葉の通り頑張ってきたつもりです。

Attractive
Workplace
当社の魅力

働く場としての東亜利根ボーリングの魅力は。

久原

子どもの頃、ブルドーザーやクレーン車などの建設機械のおもちゃで遊んでいました。重機が好きだったんです。かっこよかったんですよ!
だから重機を製造する会社に入社しました。知識さえあれば、自ら考えたものが実際に機械というモノになるのが魅力だと思います。
 当社には、図面を描く人がいて、それを組み立てる人もいます。つまり建設機械だけではなく、別の分野のモノづくりもできるかもしれないということです。そう考えると、製造メーカーの可能性は無限大です。

Future Initiatives 今後の取り組み

企業として今後取り組んでいきたいことは。

杉崎

経営者として取り組みたいことは多岐にわたりますが、まず事業継続のためには社員を大切にすることが重要です。社員は財産ですから、ワークライフバランスや社員のエンゲージメント向上のために、DXを含めた職場環境から社員の家族の幸せまで考え、設備や制度の新設や改善を図りたいと思います。そのような取り組みから優秀な人材が多く生まれ、企業の発展につながると考えています。

地球環境、経済環境、日本の少子高齢化など、私たちを取り巻く状況の変化で今後ますます価値観は変わると思います。そんな中、当社の事業は地熱・地中熱・海洋資源開発分野での機械の研究開発、また原材料・人件費高騰によるユーザー様負担を軽減するための中古品リビルド販売やリース等も考えなくてはなりません。そしてメーカーとしては、熟練オペレーター減少に伴う、AI搭載の自動機械の開発や製品及び工場自社設備などのGXへの取り組み、工事部門では新規開発機械を使用した新工法の確立も不可欠です。

久原

20~30代の、これからを担う社員に何を残せるかを考えています。
長期で現場滞在して対応することも、数年前までは多くありました。ワークライフバランスを大切にする現在においては、そういった対応や働き方も整えながら、同時にモノをつくる熱い想いはしっかり伝えていきたいと思います。
 構造やコアとなる知識の継承、その知識を自身でさらに深掘るマインドの形成、成長できる環境づくりに取り組んでいます。オーダーメイドのマシンも含めると覚える内容も多機種にわたり、知識・情報の引き継ぎやシステムのバージョンアップは急務ですね。

 モノづくりの楽しさに気づいてもらうための土壌と、知識を増やすことで得られる成功体験の場を、時代に合わせて培っていきます。 面接で当社の説明をする際には「大きなプラモデルをつくるイメージ」と伝えています。
 ぜひ、この深みにはまっていただきたいです。

Next 100 Years 次の100年に向けて

今後の展望や目指す姿は。

杉崎

サステナブルな企業を目指すということは、常に「次に何が来るのか」を考えることだと思います。変化する様々な環境や世界情勢、また働き手、雇用の問題も含めて考えると、先を見通すことは困難な状況といえます、最低でも20年先を見据えた経営をしないと、次の100年を迎えることはできないと思います。
 この先の20年を、変化に取り残されず進むため、新設した開発部を中心として、社会貢献が可能なモノやシステムなどを探り・深堀りながら進んでいきます。

久原

まずはお客様に相談される企業であり続けなければなりません。相談されるということは、お客様の課題やニーズに寄り添うことです。社員一人ひとりが多くの発想とアイデアを持ち、多くの機械・現場に触れる機会が必要です。
 ただ、100年後はボーリングマシンだけを製造する東亜利根ではないかもしれません。地中に着目するだけでも、いろいろな発想とアイデアが生まれてくるのです。そう思うと機械メーカーは楽しい未来が広がっていますね。

最後に社長からメッセージを。

杉崎

当社は2027年に創業110年を迎えます。社名は幾度か変わりましたが、根幹の精神である、お客様に寄り添ってお客様に満足いただける製品、施工をお届けする気持ちは変わりません。従業員一同も、そのことに喜びを感じて日々精進しております。そして、新な視点を持った若い力も必要です。興味のある方はぜひ、当社を訪ねて頂きたいと思います。